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もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら

もしも文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら

皆さんこんにちは!

千代田区麴町のオーガニックエステサロン、アンリュミエールの黒木です^^

9月に入り、最近ではだいぶ秋めいた日も増えてきたように感じますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
秋と言えば、食欲の秋、スポーツの秋…そして読書の秋!ということで、今日は私の個人的な「おすすめ本」のご紹介をしたいと思います!

ちなみに私は秋に限らず本を読むのが割と好きで、特に今年の夏は無性に本が読みたくなり小説を3~4冊と、日本の歴史本(主に幕末前後~第二次世界大戦あたりまで)を読みふけっていました。

そんな私が今回ご紹介するのは、小説でも歴史本でもない完全におふざけな本です…。(笑)
その名も、「もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら」

ひょっとするとすでに、書店でご覧になった方もいるかもしれません(もしくは購入済みの方も!)。
表紙の帯に尾崎世界観さんの推薦文が載っていますが、「切実に馬鹿だから、なんかもう泣けてくる。」とあります。確かにその通り。
でも私はむしろ、泣けてくる…というよりも、ただただ凄い…!!と思いました。
例えばこの本の内容でよく取り上げられている、「村上春樹がもしもカップ焼きそばの作り方を書いたら」をご覧になってみてください。

「1973年のカップ焼きそば」

①きみがカップ焼きそばを作ろうとしている事実について、僕は何も興味も持っていないし、何かを言う権利もない。
②勝手に液体ソースとかやくを取り出せばいいし、容器にお湯を入れて3分待てばいい。
その間、きみが何をしようが自由だ。
③読みかけの本を開いてもいいし、買ったばかりのレコードを聞いてもいい。同居人の退屈な話に耳を傾けたっていい。
悪くはない選択だ。
④ただ、一つだけ言いたい。
⑤完璧な湯切りは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

次は太宰治です。

「焼きそば失格」

一、蓋を開けてみたまえ。ちりちりとした麺の波打つさまが、或る女を思い出させる。私は、意地汚く、ここまで開けるという線をキッチリと守った。ことごとく笑いたまえ。蔑みたまえ、私は卑しい、偽善の男だ。

二、しゅんしゅんと、やかんの水が沸く音がする。私はじっとしてその瞬間を待つ。沸騰。

三、かやくと書かれたちいさな袋を麺の上にかけた。震える手からはバラバラと散って、全部は中に入りきらない。ええい仕方がない、ヒロポンが尽きているのだから。食べ終わったら必ず買いに行こう。いや、金はカップ麺を買って尽きた。女に頼み込もう。そうしよう。と思いながら、湯をかけ蓋を閉じた。

四、中の麺は情死をした女の髪のようにゆらゆらと揺れているだろうか、許して呉れたまえ。どうか、君を忘れたわけでは無いのだ。ただ、私だけが生き残って君を置いてきてしまったのだ。ああ、恥ずかしい。なんじら断食するとき、悲しい面持ちをすな(マタイ六章十六)

五、三分経つ。湯をざあっと切ると、もうだめだ。私は欲望に負けた。ソースを振った瞬間にずるずる、ずるずると一気に啜った。あさましくてもいいと開き直ったら、少しばかり生きていていいような気も湧いてきた。はは、君、何を心配しているのかね。私には少しばかりの酒もある。鼻がぐしゃっと絡まって、それから声を上げて泣いた。どうか、どうか。私を捨てないでください。

とてつもなく長いですね。(笑) でも両方とも、どことなく作者の特徴をとらえているし、ひょっとしたら本当にこういうこと書きそう…と思ってしまいませんか?
文豪だけではなく、中にはあの「暮らしの手帖」も標的になっています。

「カップ焼きそばは自然の摂理に反しています」
1.小鳥のさえずりが聞こえるこんな天気のいい日は、外に出てピクニック気分でカップ焼きそばを作ってみましょう。太陽の光を浴びれば、きっと体も元気になるはずです。背筋もピンと伸びるはず。ほら、あちらにはすでに春の予感。サクラが今にも咲きそうです。生命が誕生する際には、とてもエネルギーが発生するといいます。そのエネルギーをわけてもらいましょう。

2.かやくは水につけてゆっくり戻しましょう。もちろんお湯は外ではわかせません。ガスコンロなども環境に悪いのでおすすめできません。お湯のない生活もときにはいいものです。火のない時代の私たちの暮らしに思いをよせて。

3.お湯がないので、ふやけたかやくを麺にのせて水を入れます。そのまま18時間くらい待ちましょう。たぶん食べられるくらいにはふやけているはずです。急いではいけません。ときには時間に追われる現代社会から距離を取ってみるのも新鮮です。スローな気持ちで。何も考えずに。目の前のやりたいことだけをやってみるのです。

4.食べます。決しておいしいとは言えませんが、私たち人間はおいしさを求めて何を犠牲にしてきたのでしょうか。今日はそのことを考える日にして、あえておいしくないものを味わってみるのもいいでしょう。こうやって、生きることを反省する時間をつくることもときには大事です。

暮らしの手帖はあまり読んだことないのですが、ここまで書いて大丈夫なの!?と勝手にヒヤヒヤ…。でも18時間というところで笑ってしまいました。
そんなにピクニックしてたら風邪ひきそうです。(笑)

このほかにも、星野源、糸井重里、稲川淳二、週刊文春…などなど、文豪以外にも様々な人の「カップ焼きそばの作り方」が載っている本です。
最初から最後まで、一貫して「カップ焼きそばの作り方」のみ。でも書き手が違うと、まったく違う文章になっているのがとにかく新鮮です。
もちろん本人たちが書いたのではなく完全なオマージュ作品なのですが…。

ただただ馬鹿げていて、読んで何を得られるか…?と聞かれたら困ってしまいますが、ちょっと一息つきたい時や気持ちがふさぎがちな時にクスっと笑える温かい本です。
本屋さんで見かけたら、お気に入りの「カップ焼きそばの作り方」を見つけてみてはいかがでしょうか?(*^_^*)

アンリュミエール 黒木 恵美


「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」
神田 桂一 (著), 菊池 良  (著) 出版社: 宝島社 (2017/6/7)

 

 

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